日本証券アナリスト1次及び2次試験 

券アナリストとは、証券投資の分野において高度の専門知識と分析技術を応用し、各種情報の分析と投資価値の評価を行い、投資助言や投資管理サービスを提供するプロフェッショナルのことをいいます。証券アナリストの業務としては例えばリサーチ・アナリストやファンド・マネージャがあります。米国では、日本の証券アナリストと同等な立場であるCFAは公認会計士と同程度の社会的地位を認められていると言われております。試験内容は1次試験においては証券分析とポートフォリオマネジネメント、財務分析、経済の3科目、2次試験においてはさらに倫理基準があります。1次試験は各科目においての基礎的な内容が四択問題で出題されます。2次試験においては科目の境界線は無くなり、総合的な問題が出題され、回答は全て論述形式となります。

1次試験(勉強期間:2ヶ月)

1次試験の時は通信教育の教材はほとんど使用しませんでした。2月中旬くらいまで何もやらず、急にあせり始めた、という感じです。なぜならちょうど大学3年生であったので、就職活動をしていたからです。(その後、大学院に進学する決意をするのですが…)まず、2月中旬から3月初旬はTACの総まとめのテキストを購入してそれをやっておりました。私はTACに所属していたわけではないのですが、模試だけ受ける予定だったからTACの教材でした。ただ、これはあまりよかったとは今でも考えておりません。本当に直前に「あぁ、こんな事だったな」と確認するためにあるような感じがしました。確か模試は37日あたりであったと記憶しております。その総まとめのテキストを一生懸命(当時の基準なので、今考えるとかなり手抜きだったと思います。)やったのですが、結果は散々なことになっておりました。しかし、模試から1週間ほどは勉強から一切遠ざかりました。というのも、模試の翌々日には引っ越す予定だったからです。そこで、いい意味でリフレッシュできたのかもしれません。そして315日あたりから一ヶ月前ということもあって、「ちゃんと」取り組みだしたと思います。まず、模試の手ごたえがあまりにも無かったためその敗因分析をしてみたところ、問題を解いた量があまりにも少なかったということが考えられました。また、使用していた教材の問題が優しすぎた、ということも起因していると考えます。そこで、新たなる問題集を購入することにしました。☆証券アナリスト1次試験で使用した問題集☆その時点では大学院受験を決心したということもあって、絶対合格を自分に課しました。要はその問題集をひたすら解きつづける、ということなのですが、そのときに心がけていたことは「ある程度無理をする」ということでした。そこで、残りの一ヶ月でのスケジュールが確か下記のようだったと記憶しております。

315日〜18日…経済一回目

  19日〜20日…経済二回目

21日〜22日…経済三回目

23日〜26日…財務一回目

  27日〜29日…財務二回目

30日〜31日…財務三回目

4月1日〜6日…証券分析とポートフォリオ一回目

7日〜9日…証券分析とポートフォリオ二回目

10日〜11日…証券分析とポートフォリオ三回目

12日…経済四回目

13日…財務四回目

14日…財務四回目&証券分析とポートフォリオ四回目

15日…証券分析とポートフォリオ四回目

16日…経済五回目

17日…財務五回目

18日…財務五回目&証券分析とポートフォリオ5回目

19日…証券分析とポートフォリオ五回目

20日…過去問(TACの模試含む)

21日…試験本番

です。つまり、その問題集を全ての科目に関して5回ほどまわしました。問題の難易度もそれまでのものと比べるとはるかに難しいものでした。しかし、この問題集をこれだけやったことによって3科目合格を勝ち取ることができたと考えております。経済はそれほど苦労しませんでした。財務は暗記に関してはかなり力を入れました。それは上記の日程表には含まれておりませんが、最初に使用していた財務の問題集の論述で答えるところを全て暗記しました(唯一ここで直接、最初の問題集(総まとめの本)が役に立ちました)。証券分析とポートフォリオ(以下、証券分析)が少し手間取ったことを記憶しております。中でも統計が初めてだったので、戸惑いました。統計に触れた経験があまり多くない方はこちらの本等で学ばれるのもいいと思います。ちなみに模試の成績は経済C判定、財務F判定、証券E判定であったことを考えると、なかなか頑張ったのかなとか思ったりします()あと試験会場では自信を持ってかなりリラックスしていたと思います。ただ、3科目受験の場合拘束時間が長いので、それの対策として体力をつけておくことをお勧めします。また、同時に財務と証券では時間が非常に厳しいと考えられるため、自分が何が特異で何が不得意であるのかをきちんと明確にする必要があると思います。なぜなら、時間配分を本当に効率的に行わないと、自分の不得意な分野に時間をかけてしまった結果、その後ろにある得意な分野をまるまる逃してしまいかねないからです。

2次試験(勉強期間:実質2ヶ月)

2次試験は1次試験の3科目に加えて行為基準が加わります。しかし、逆にこれは非常に点を取りやすいので、むしろ歓迎するべきだと考えます。

まず、勉強期間に‘実質’とつけさせていただいたのは、私は経済や証券分析とポートフォリオに関しては、大部分が大学院受験の範囲と重なっていたため、『証券アナリスト2次試験のために勉強したのは』という意味で使用させていただきました。だから、本当は勉強期間は1年程度なのかもしれません。今回も前回同様、問題集をひたすら回す、ということを行いました。それは、問題集というものはわれわれが思っている以上に手間隙かけて、データを分析して作成されているからです。ただ、前回と異なる点は今回は前回の問題集に加えて、それのテキストも勉強しました。つまり、一科目につきテキスト×5に問題集×5、ということを3科目に対して行っておりました。以下、科目ごとに検討してみたいと思います。☆証券アナリスト2次試験で使用した教材

          経済:これは非常に苦労いたしました。なぜならそれまで自分で日本経済について    述べる、といった経験が無かったからです。ただ、そこでテキストを注意深く読み、そして問題を解く、さらにその問題の答えを暗記する(5回もやればだいたい暗記できるものです。)、といった事を行っておりました。つまり、テキストでインプットする、そして問題集でアウトプットすると同時に、その裏にある経済の概念のロジック、考え方を身に付ける、ということです。また、全科目に共通して言えることなのですが、ある程度暗記は必要です、というかむしろしといたほうが楽だしかなり優位になると考えます。なぜなら試験本番は一問あたり二〜10行程度割り当てられております。(もっとだったかもしれません。)そのときにある単語とそれの説明文を覚えておくことによって、かなりの行数を稼ぐことができるからです。

       財務:一次試験は会計の色がかなり強かったですが、二次においてはむしろコーポレートファイナンスの色のほうが強いような気がしました。会計方面では連結処理を中心に行っておりました。あとはフリーキャッシュフローやDCFと言った内容です。ちなみに私は本番の試験で大きい問題が全部で11問ありましたがそのうち9問しか解く事ができず(時間配分のため)、その残った二つが両方とも財務であったのを今でも記憶しております。

       証券:これは私の専攻分野であるので、非常に取り組みやすかったです。要は公式をきちんと覚え、それの背景として何が走っているかを見極めることができれば、難なく取れると考えます。

       基準:正直、試験2週間くらい前まで何もやっておりませんでした。そこから「点が悪いと無条件に落ちる」ということもあってガムシャラにやりました。まず,テキストや問題集に何を使うか、ということですが、この科目だけは通信教育にあるもので十分です。また、通信教育の中にCDもあったと思いますが、これを常に聞いておりました。(もちろん、軽くFAST BATEで吉牛に行く時も♪)その結果、おそらく本番では稼ぎ頭になったのではないかと考えております。通信教育とほぼ同様の問題が出るので、特に心配は要らないと思います。

なによりも本番が3時間半×2、という長時間です。この間集中力を維持することは非常に厳しいと考えます(特に後半は)。よってケアレスミスも(例えば誤字脱字といった)多々見られると思います。その頭が普段に比べてあまり良く機能しない時に、いかに頑張れるか、ということにかかっていると思います。その時に暗記をきちんと行っているか、または背景をきちんと理解しているか、ということが問われると思います。